図面のトレースといえば手書きでした

昭和のバブル景気をご経験の方でしたら、図面のトレースといえば手書きで朝から夜中まで、肩こりを気にしてグリグリ肩を廻しながら作業されていたことを思い出すのではないでしょうか?
又、今では死語になりました、「第二原図」の作成を思い出すのではないでしょうか。
改装工事、改修工事などの際に、下図として既存部分の図面を第二原図として青焼きし不要な部分や、改修部部を、修正液で消していき、新装部分や変更部分を手書きで作図していく。
この第二原図の作成や、トレシングペーパーの扱いの厳しさなど現在のCAD普及環境では懐かしい思い出になっているのではないでしょうか。
ドラフターに下図を敷いて、トレッシングペーパーを上に置き手書きでトレースしていく、という作業は、古くからの手法ですが、現在のCAD環境においても基本的な作業は同じかと思います。
下図がスキャンデータで、手書きがCADソフトになったところが変わったのですが内容や工程はは同じかと思います。
ただ、ソフトは進化しておりまして、手書きのスキャンデータの斑点除去作業作業やギザギザを線データへの変換などは技術の進歩により日々精度を上げてきております。
パソコン本体の処理能力の向上や、開発ソフトの精度の向上、低価格化により、今まで一日かかった作業が、数時間でこなせるようになったのは事実です。
図面をトレースするという作業は、製図の基本的な知識は元より設計の知識が必要になることをまれに実感いたします。
不動産屋さんの賃貸広告などをチラシやWEB上で拝見することが多く有るのですが入り口のドアの大きさ、内部ドアの大きさ、便器の大きさ、などがアンバランスなものがたまに見受けられます。
これはこれで、用途として完結している物ですので問題無いのでしょうが、建築士としてはどうしてもアンバランスな部分に目が行ってしまい、物件その物の魅力が削がれてしまいます。
先輩に教えて頂いた技法に感謝し、パソコンやソフトの進化を受け入れ日々新しい作図方法を意識していけたらと思います。